仁川クラリネットフェスティバル2026参加記|ICAとの再会と音楽のつながり
- 7月30日
- 読了時間: 9分
更新日:7月31日
2026年7月、韓国・仁川の松島(Songdo)で開催されたICA(国際クラリネット協会)のクラリネットフェスティバルに参加してきました。

ICAのクラリネットフェスティバルは毎年夏に開催される、世界中のクラリネット奏者・研究者・愛好家が集まる大きなイベントです。開催地はアメリカ国内に限らず世界各地へ広がっており、2026年は韓国、そして2027年はアメリカ・ユタ州ソルトレイクシティで開催予定です。
この記事では、2026年に韓国・仁川で開催されたICAクラリネットフェスティバルの参加レポートとして、会場の様子、移動方法、ボランティア体験、印象に残った演奏、そしてアメリカ留学時代から続く音楽のつながりについてまとめます。
私とICAクラリネットフェスティバル
90年代にアメリカへ留学していた頃、私が師事していた恩師がICA(国際クラリネット協会)の会長を務めていました。
当時、シカゴで開催されたクラリネットフェスティバルに演奏参加するため、大学の大編成クラリネットアンサンブルの一員として車でシカゴまで向かい、皆でモーテルに宿泊したことを懐かしく思い出します。
先日、ICAのホームページで歴史を確認したところ、白黒写真に写る大人数の中に自分の姿を見つけ、驚きました。翌年には、アリゾナで開催されたクラリネットフェスティバルのヤングアーティストコンクールで第2位を受賞したこともあり、ICA、そしてクラリネットフェスティバルには、今も強い思い入れがあります。
数十年を経て、ICAはより多くの愛好家が参加できるよう工夫を重ねてきました。パンデミック以降は、多くのイベントがオンラインでもつながるようになり、日本にいながら現在の活動を知ることができるようになっています。
そのような中で今回、アジア圏でクラリネットフェスティバルが開催され、実際に参加できたことは、私にとって大きな喜びでした。
韓国・仁川松島へのアクセス
福岡から仁川までは、飛行機で約1時間10分。仁川空港は広々としていて、とても綺麗でした。
空港から宿泊先まではタクシーで約30分。空港バスを使うと1時間強、地下鉄では1時間半以上かかるようでした。今回は、宿泊先のハングル表記の住所を見せてタクシーで向かいました。
宿泊したのは、会場であるSongdo Convensia周辺の高層アパートの一室です。1階にはコンビニがあり、周辺にはカフェもあり、とても便利でした。
初日は近くでポキ丼のお店を見つけ、ヘルシーに夕食を済ませました。その後、無人アイスクリームショップでアイスクリームを買って帰宅。旅先での何気ない時間も、楽しい思い出になりました。
移動に便利だったNAVER地図とT-money

現地での移動には、NAVER地図アプリがとても役立ちました。目的地までの行き方や所要時間を確認でき、バス移動も安心して利用できます。
コンビニで交通カード「T-money」を購入し、チャージをして、近くのバス停から乗車しました。バス停にも路線や到着案内が表示されるので、特に困ることはありませんでした。
降車時も、目的地の一つ前の停留所を過ぎるとアプリで案内が届き、降りるタイミングを教えてくれます。近くのSTOPボタンを押して運転手に知らせればOKです。
韓国のバスは運転がとてもワイルドで、乗車したらすぐに発車します。乗ったらまず手すりに掴まることをおすすめします。乗車時と降車時にはカードをタップ。前乗り・後ろ降りでした。
会場 Songdo Convensia へ
8日の朝は大雨でした。朝7時半までに会場に着けるように準備をし、大雨の中、バスに乗って会場入りしました。
会場は仁川・松島にあるSongdo Convensia。近代的で広々とした施設で、国際的なフェスティバルにふさわしい雰囲気でした。
ICAの運営と参加者へのサポート
ICAでは、海外から韓国へ渡航する参加者をサポートするため、開催前から空港からの道案内や交通カードの使い方などをYouTubeのショート動画で紹介していました。
また、日程をオンラインで確認できるアプリも活用されており、急なスケジュール変更もその都度更新され、通知が届く仕組みになっていました。慣れない土地での参加者にとって、とてもありがたいサポートでした。
ICA Executive Director のJessicaとは、数年前にオンラインでインタビューさせていただいて以来の再会となりました。彼女は韓国が大好きで、数か月前にご主人とともに韓国へ移住し、現在は韓国に住んでいます。
ICAのオンラインイベントでは、毎回彼女の手際の良いリーダーシップやファシリテーターとしての手腕が発揮されていますが、今回のフェスティバルでも、入念に準備を重ねてこられたことが随所に感じられました。
ボランティアとして参加して
今回はICAのお手伝いをしたいと思い、ボランティアにも参加しました。

受付を担当した数時間はとても楽しく、ボランティアワークを通じて、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど各国から来られたボランティアの方々ともお話しすることができました。
過去のコンクール受賞者が後にボランティアとして参加していたり、フェスティバル後に日本へ行く予定の方がいたりと、さまざまな交流が生まれました。日本からの参加者の方々にもご挨拶でき、クラリネットを通じて出会えたことをとても嬉しく思いました。
ICAクラリネットフェスティバルで聴いた演奏
ヘッドライナー・コンサートでは、第一線で活躍する演奏家やレジェンドの方々の演奏を聴くことができ、どれも大変素晴らしいものでした。日本から参加されたアーティストの方々も大活躍でした。
今回聴いたプログラムの中には、次のような演奏もありました。
Yoonah Kim(ユーナ・キム)は、ソウル生まれ、カナダ育ちのクラリネット奏者。ジュリアード音楽

院で学び、2016年のConcert Artists Guild International Competitionで優勝した実力派で、ソリスト・室内楽奏者として国際的に活躍しています。
シュポア《ダンツィの主題による幻想曲と変奏曲》の難しい技巧を、いとも簡単に、時に優しく、時に力強く表現していました。全身で音楽を語る姿がとても素敵でした。
Joë Christophe(ジョエ・クリストフ)は、フランス出身のクラリネット奏者。パリ国立高等音楽院で

学び、2019年のARD国際音楽コンクールで第1位と複数の特別賞を受賞した、若い世代を代表する実力派奏者です。ソリスト・室内楽奏者として国際的に活躍しています。
ウェーバーの《クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.34》の楽章抜粋でした。ゆっくり聴かせる楽章での繊細なコントロールと、軽快な終楽章は圧巻。弦楽器を見事にリードし、素晴らしいウェーバーでした。
István Kohán(イシュトヴァーン・コハーン)は、ハンガリー出身で日本を拠点に活躍するク

ラリネット奏者・作曲家。東京音楽コンクール、日本音楽コンクールなどで受賞し、演奏・作曲・教育の分野で幅広く活動しています。ハンガリー音楽やクレズマーの要素を取り入れた表現でも知られています。
日本ではとても有名ですね。YouTubeでよくお見かけしているので、生の演奏を聴けて嬉しかったです。
Michael Collins(マイケル・コリンズ)は、イギリスを代表するクラリネット奏者・指揮者。ソリス

ト、室内楽奏者として国際的に活躍し、近年は指揮者としても高い評価を受けています。深い音楽性と洗練された表現で、世界中の聴衆を魅了してきた名奏者です。
レジェンドと呼ぶにふさわしい、昔から録音で聴いていた方の生の演奏が聴けて感無量でした。安定感があり、エレガントなモーツァルト《クラリネット五重奏曲》でした。
Philippe Cuper(フィリップ・キュペール)は、フランスを代表するクラリネット奏者。長年パリ・オ

ペラ座管弦楽団の首席クラリネット奏者を務め、ソリスト・教育者としても国際的に活躍してきた、フランス派クラリネットの名手です。
マスタークラスと演奏を聴きました。こちらもレジェンド。彼のフランセが入ったCDをよく聴いていたのを思い出します。王道のフランスの香り漂う演奏を聴かせていただきました。
世界中の奏者の音色や音楽づくりに触れられることは、フェスティバルならではの魅力です。
心に残った “Dream With Ensemble”
その中で特に印象に残ったのは、9日の午後に演奏した韓国のグループ “Dream With Ensemble” です。
知的障害などを抱える方々によるアンサンブルで、活動内容については、グループをまとめる先生の韓国語での説明に英語通訳が入り、丁寧に紹介されました。
楽しそうに演奏する姿が客席にも伝わり、心温まるひとときとなりました。音楽が人と人をつなぎ、演奏する喜びを共有する場であることを改めて感じました。
再会と新しいつながり
今回のフェスティバルでは、アメリカ留学時代の友人との再会、同窓生とのつながり、そして楽器制作に関わる友人の変わらぬ活躍ぶりにも触れることができました。
Tasha Warrenは、アメリカ・インディアナ大学への留学時代の友人です。一時期はシェアハウスをしていたこともありました。今回はご主人のGuy Yehudaとともに、Adama Quartetとしてとてもかっこよいパフォーマンスを見せてくれました。また、彼女は同時開催されていたヤングアーティストコンクールの本選審査員でもありました。


また、今では多くのプロクラリネット奏者に選ばれているRoyal GlobalのYuan Gaoは、ボストン時代の友人です。長い年月を経ても、それぞれの場所で音楽に関わり続けている姿に触れ、大きな刺激を受けました。 - ロイヤルグローバルの魅力をblogで紹介しました

数十年前にアメリカで経験したクラリネットフェスティバルの記憶と、今、アジアで開催されたフェスティバルに参加している自分が重なり、とても感慨深い時間でした。
クラリネットを通じて続いてきたご縁、そして新しく生まれた出会いに、たくさんの刺激を受けました。
おわりに
今回の仁川クラリネットフェスティバルは、演奏を聴くだけでなく、ボランティアとして関わり、世界中のクラリネット奏者や愛好家と交流できた、とても充実した時間でした。
クラリネットという楽器がつないでくれる世界の広がりを、改めて感じる旅となりました。
関連記事
オンラインレッスンのお知らせ
フジヤマクラリネットスタジオでは、対面レッスンのほか、全国どこからでも受講できるオンラインクラリネットレッスンを行っています。
基礎の見直し、音色づくり、エチュード、ソロ曲、吹奏楽コンクールやアンサンブルに向けた準備など、一人ひとりの目的に合わせてレッスンしています。
「もっと楽に吹きたい」「音色を良くしたい」「練習方法を見直したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
▶︎ 現在吹奏楽コンクールを終えて基礎を見直したい方に向けて無料オンラインレッスン受け付けています




