クラリネット スロートトーンのラが高い問題を解決|音程調整のコツと運指テクニック
- Izumi Fujiyama

- 11月18日
- 読了時間: 3分
更新日:11月19日
はじめに
山口県柳井市のクラリネット教室『フジヤマクラリネットスタジオ』では、大人でクラリネットレッスンを始める方を対象に、スロートトーンの音程調整について詳しく指導しています。特にABRSM グレード3の課題曲『Misty Moments』に取り組む際、多くの生徒が直面するスロートトーンのラの音程問題について、実践的な解決方法をご紹介します。
スロート音域
スロート音域は、クラリネットのシャリュモー音域からクラリオン音域に移る中音域
どのあたりの音?
運指は:左手だけで押さえる音たち
G-G#-A-A#
このあたりが「スロートトーン(throat tones)」と呼ばれ、そのまとまりを「スロート音域」と言います。
なぜ特別扱いされるの?
スロート音域は他の音域と比べて
音がこもりやすい・細くなりやすい
音程が不安定になりやすい
音色が急に変わったように聞こえる
強弱をつけると音が割れたり、出にくくなったりしやすい
という特徴があるため、レッスンや教材でも「スロート音域の改善」「スロートトーン対策」としてよく取り上げられます。
なぜスロート音域?
クラリネットは倍音の構造が他の管楽器と異なり、オクターブと5度上(実際は12度上)の音が出ます。(シャルモーのドにレジスターキーを足すとクラリオン音域のソ)シャルモー音域とクラリオン音域の間4度の空間を埋めるためにスロート音域が作り出されたため、不安定になりやすいという特徴があります。
ざっくりまとめ
スロート音域 = 左手のG~A#周辺の、音色や音程が特に不安定になりやすいゾーン
理由 = 運指の構造と発音の仕組みの関係で、他の音よりコントロールが難しい
そのため = 専門的な練習や工夫(アンブシュア、息のスピード、代替運指など)がよく使われる
スロートトーンの「ラ」は高い
「Misty Moments」にはラの音が多く登場しますが、クラリネットの構造上、スロートトーンのラはシャープになりやすい傾向があることを理解することは大切です。実際にチューナーで計測すると、目と耳でシャープなことが確認できるでしょう。
音程を安定させるためのコツ
運指表にある左人差し指のみの運指は、速いパッセージ以外ではあまり使うことはしません。
アンブシュア(口の形)での調整や、余っている指を使って音程を下げる工夫をしましょう。
適切な運指を覚えることで、スロートトーンの音抜けも改善します。
ラからレへのジャンプのポイント
ラからレへの移動では、左手人差し指をスライドさせるのは無理があるため、手首全体を使い、ドアノブを回すように動かすとスムーズです。
曲の終盤で気をつけたい音程
最後の3音(レ、ラ、ファ)は特に音程が不安定になりやすいので、注意して練習しましょう。
レとラは高くなりやすく、ファは息を強く入れすぎると低くなります。
よくある質問:チューニングについて
Q. バレルと上管の間を抜いて調節するのは正しいですか?A. 楽器全体がシャープな場合は、抜いて調節するのが正しい方法です。ただし、クラリネットの特性を理解し、自分の耳で音程を確認することも大切です。
Q. チューニングの基準音は?A. 吹奏楽では実音B♭(クラリネットのド)、オーケストラでは実音A(クラリネットのシ)で合わせます。メーカーもこの音を基準に設計していますが、他の音は吹き方や息の量で変化します。よってチューニング音だけに頼らず、楽器の特徴や和声を聴き分けて調整することができるようになることが大切です。
レッスンのご案内
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