ラリネット本番に強くなる演奏心理学|守りから表現力へ
- 3月2日
- 読了時間: 7分
更新日:7月25日
山口県柳井市のクラリネット教室 フジヤマクラリネット教室 です。
クラリネット本番で、緊張すると音を外さないように守りに入ってしまうことがあります。この記事では、演奏心理学の視点から「守る演奏」から「表現を広げる演奏」へ変えていくための考え方を紹介します。本番で力を出したい方、緊張で表現が小さくなりやすい方に向けた内容です。
クラリネット本番で守りに入ってしまう理由
演奏者として、クラリネット講師として、かなり大きな発見がありました。テーマは、守りに入ったパフォーマンスから、あえて広げてみるパフォーマンスへ。
「仕上げたはずなのに、いざ本番モードになると小さくまとまってしまう」この感覚は、きっと多くの演奏者が身に覚えがあると思います。私自身もまさにそうで、練習で積み重ねてきたものがあるほど、逆に「失敗したくない」が強くなって、表現の幅を無意識に狭めてしまうことがあります。
でもこの週は、そこをあえて打ち破るような指示がありました。
演奏心理学で考える「守りの演奏」とは
本番で緊張すると、私たちはつい「間違えないように」「音を外さないように」と考えがちです。もちろん、丁寧に演奏しようとすること自体は大切です。しかし、その意識が強くなりすぎると、音楽を前に進めるよりも、失敗を避けることが演奏の中心になってしまいます。
これが、演奏心理学で考える「守りの演奏」です。
守りの演奏では、意識が音楽の流れや表現したいことではなく、自分のミスや不安に向きやすくなります。クラリネットの場合、「この音を外したらどうしよう」「高音がうまく当たるだろうか」「息が足りなくなったらどうしよう」と考えすぎることで、息の流れが浅くなり、音色やフレーズも小さくまとまりやすくなります。
その結果、音は正しく並んでいても、音楽としての方向性や広がりが伝わりにくくなることがあります。間違えていないのに、どこか表現が控えめに聞こえる。練習ではもっと自由に吹けていたのに、本番では安全運転になってしまう。そうした状態は、多くの演奏者が経験するものです。
守りの演奏は、決して悪いものではありません。むしろ、準備してきたことを大切にしたい気持ちや、良い演奏をしたい気持ちの表れでもあります。ただし、本番で本当に音楽を届けるためには、「失敗しないこと」だけでなく、「どこへ向かって表現するのか」に意識を戻していくことが大切です。
演奏心理学の視点では、緊張をなくすことよりも、緊張した状態でも注意をどこに向けるかが重要になります。自分の不安に意識を向けるのではなく、響き、フレーズ、音楽の流れ、聴いている人に届けたいものへ意識を広げていく。その切り替えが、「守りの演奏」から「表現する演奏」へ進むための第一歩になります。
まずはビフォー/アフター動画を聴き比べる
この週の課題は「自信を持ったパフォーマンス方法」にフォーカス。その検証として、まずは課題のビフォー動画作成。
何も考えない状態でフレーズをその日に初めて演奏。(事前の練習なし)
約1週間様々な(演奏心理学に基づいた)課題を取り組みながら週の終わりにアフター動画作成。
誰かの演奏をモノマネするように演奏してみる
単調な練習になりがちな音階練習を様々な形容詞を乗せて「演奏」してみる
ビフォーの時点では、仕上がっていないわけではありません。むしろ、よく練ってある。音程も、リズムも、崩れていない。それなのに、どこか「安全」。どこか「まとめにいっている」。それが今回の出発点でした。
守りに入る理由は「下手になること」への恐れではない
今回改めて感じたのは、守りに入るのは単に怖いからではなく、“ちゃんとやってきたからこそ”失いたくないという心理が働く、ということ。
ここまで作ったものを崩したくない
リスクを取って失敗したくない
うまくまとめた方が評価されそう
この心理はとても自然です。ただ、パフォーマンスとして「伝わる演奏」を目指すとき、これが壁になることがあります。
表現力を広げるために意識したいこと
そこでアフターでは、真逆の方向へ舵を切りました。理想とする演奏家の音、そして自分の「スイッチ」を基準にして、**最大レベルの“さらに上”**を狙う。
可能な限りのダイナミクス
もっと大胆なフレージング
ハメを外す一歩手前まで表現を押し広げる
“正しい”よりも“届く”を優先する
結果は、正直驚きでした。「こういう自分も出せるんだ」と、今まで見えていなかった一面が出てきたのです。
そして最大の発見は、同コースを受講している仲間からのコメントでした。音の出だしから引き込まれた。表現が豊かで良くなった。
I love the way the after video made me feel, you’re more connected, the sound is more intentional and way more expressive, way to go, the improvement is amazing.
After shows much improvement. You moved your body expressing the phrasing. Emotional delivery was far more evident. Good job.
I loved how the first note sounded in the second version… Really taking our attention and leading to something exciting
Such a great difference!! The second video is more musical so far! I can see and hear the clarity of your musical phrasing and your sound, which I love in both videos, but in the after one is a gift! Good job!
もちろん、荒くなるリスクもあります。でも、そこを恐れて閉じるよりも、一度広げてみた先にしか見えない景色がある。今回はまさにそれを体感しました。これは一種のブレイクスルーでした。
Bulletproof Musicianで学んだ演奏心理学
このタイミングで、Bulletproof Musician の “Performance Psychology Essential for Educators” コースを終えました。様々なコースを提供している中このコースも一年前に実は受講していたものでした。改めて今回も受講してみて新たな発見がありとても充実したものになりました。心に少しの余裕も出てきたかもしれません。
Bulletproof Musicianで学んだ内容の中でも、特に印象的だったのは「注意をどこに向けるか」で演奏の質が変わるという点です。クラリネットの場合、音を外さないことだけに意識が向くと、息の流れやフレーズの方向性が小さくなりやすくなります。
本番前にできる3つの練習
1. 「失敗しない」ではなく「どこへ向かうか」を決める
2. 録音して表現の幅を確認する
3. 小さな本番を作って慣れる
本番前の練習では、「間違えないように」と考えるよりも、「このフレーズをどこへ向かわせたいか」を先に決めておくことが大切です。クラリネットは息の流れが音色やフレーズに直結するため、守りに入ると音楽全体が小さくまとまりやすくなります。
まとめ:本番に強い演奏は「守らない」ことから始まる
守りに入るのは、真面目に積み重ねた証拠でもあります。だから否定したくはありません。
ただ、今回の経験で確信したのは、
守りの中で完成させるだけでは届かないものがある
広げてみる勇気が、新しい可能性を開く
そしてその広がりは、次の“本当の安定”につながる
ということ。
次は、この「広げた状態」を、どうやって再現性のある形で身につけるか。そこまで含めて、また次の挑戦に続けていきます。
フジヤマクラリネットスタジオの紹介
フジヤマクラリネットスタジオは、山口県柳井市を拠点にしたクラリネットレッスンスタジオです。初心者から経験者まで、一人ひとりの目的に合わせて、音づくり・基礎奏法・表現力を丁寧に育てます。
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「もっと自由に歌える音で吹きたい」「本番で実力を出したい」そんな思いを、日々の練習から一緒に形にしていきます。
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