クラリネットマウスピース選定ガイド|初心者から上級者向けの選び方とコツ
- Izumi Fujiyama

- 11月13日
- 読了時間: 4分
山口県柳井市のクラリネット教室フジヤマクラリネットスタジオです。
クラリネットマウスピース選定
クラリネットのマウスピース選定は、音質と吹奏感を大きく左右する重要です。今回はヴァンドーレンなどの主要メーカーのモデル比較を通じて、初心者から上級者まで失敗しない選び方を解説します。マウスピースは同じモデルでも個体差があります。年月が経つとリードが触れる部分やティップ部分が摩耗し、音質にも影響するため、定期的な新調が望ましいです。ヴァンドーレンBD4・BD5・BD7を中心に、広島ヤマハでの選定報告です。
動画はオンラインサロン「ザ・クラリネットコネクション」メンバーのみ配信
事前準備
在庫確認と試奏室の予約を店舗へ電話で依頼。:今回の目的はレッスン生用のマウスピース数個と自分用の選定だったため、ヤマハで9個準備していただけました。通常は一人3個までのようです。
普段のセットアップを持参(楽器本体/リガチャー/リード):普段使いのリードやリガチャー、楽器で試奏します。
ヴァンドーレンBD4、5、7を三つずつ試しました。
nonakaホームページよりサイズチャート
ヴァンドーレンマウスピース比較
BD4:ティップオープニング115.5、フェイシングML。M30とほぼ同じ。B40(119.5)からの移行は無理が少ない。
BD5:ティップオープニング113、フェイシングM。M30 Lyre系と近い開き感。
BD7:ティップオープニング133、フェイシングL。B45 Lyreより大きめの開きで、息量に余裕がある方向け。

試奏の流れ
1周目は第一印象重視で全本数を素早くチェック
息の入り方、抵抗感、響きの「出所」(ベル寄りか管体全体か)
低音〜高音のバランスの偏りがないか
2周目で細部を確認し、候補を2〜3本に絞る
タンギングの立ち上がりと密度
弱音のコントロール幅とフォルテでの暴れ
ピッチの傾向
今回はマウスピースですが、リガチャーや楽器本体の選定時にも同様だと思います。
普段の自分のセットアップでウォーミングアップ。特別にリードを変えてみるなどこの時点ではしない方が良いです。
基本となるスケールやフレーズをなんとなく決めておきます。
そしてざっと一通り全てを試奏してみます。
第一印象でほとんど決まると言ってもいいですね。ちょっと気になったものは印をつけたり、位置を上にずらしたりしながら他と区別します。そして二周目。気になる音域やタンギングの発音、弱音から強音の幅、など細かくみてゆきます。
試奏時のチェックリスト
音色:自分の好きな倍音構成に近いか(明るめ/ダーク寄り)
吹奏感:抵抗が「良い壁」か「ただ重い」か
可塑性:リード交換や位置調整で改善余地があるか
一貫性:低音から高音まで息の配分が大きく変わらないか

選定作業をしている動画はオンラインサロン「ザ・クラリネットコネクション」にて
映像で見ても、あまり違いはわからないかもしれませんが、吹いていると、抵抗感やどこから響いているのか、息を吹き込むバランスが低音から高音までばらつきがないか、など様々な違いを感じているのです。同じモデルでも違いがあり、やはり数個は比べてみて選ぶことができる環境は良いなと思います。
また、それぞれ口の中、吹き入れ方など様々であり、使用している楽器も違うと、最終的には自分の好みということになりますので、ある程度経験がある方は、ご自身で試奏されることが望ましいと思います。
クラリネットマウスピース選定が一人では不安であれば、講師や経験ある方に一緒に聞いてもらったりすることができればベストでしょう。
ヤマハの新作バレル
今回ヤマハにて新作のバレルも試奏させていただく機会がありました。
9月に新発売された、MEタイプとVIタイプ。
MEタイプ(メタルエンド)
上下の端面に真鍮リングを埋め込んであり、クリアな音、レスポンスの良さが特徴。
VIタイプ(バーチカルインレイ)
バレルの上下を通る細い真鍮板が1本埋め込まれてあり、クリアな音色とパワフルな吹奏感が特徴
試奏動画はオンラインサロン「ザ・クラリネットコネクション」で
どちらも響きが集約され、ピンポイントで音が届く感じがしました。反応も良好です。これが「クリアな音色、レスポンスの良さ」という特徴なのでしょう。私は一癖あり、どこか小難しく、譲らない信念を持つような——時に扱いにくさを感じるけれども哀愁のある響きが好みなので、このバレルは対極にあるように感じました。しかし、反応が良くクリアに出る響きに魅了される方は多いと思います。
様々な環境や曲、編成で、どんな場面で効果的に使えるのか、さらに試してみたいと感じる経験でした。
新製品を試奏させてくださったYAMAHA広島に感謝申し上げます。
まとめとおすすめ
可能なら3本以上を比較して、最終候補に絞る
一人で不安なら、講師や経験者に同席してもらうのが安心
「いまの自分に合うか」を優先。将来像だけで選ばない
「未来の理想」に向けた「いま合う一本」。次の練習から音が変わる体験を。チェックリストと体験レッスンで、あなたのクラリネットライフをお手伝い。
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