ステップアップ・クラリネット vol.2:エチュードに取り組む(Demnitz編)
(2024年1月にNOTEに投稿したものを再構築しています)
日本全国のクラリネット人口は、吹奏楽などの部活動もあり、相当数に上ると思われます。しかし、その中で個人レッスンを受けている、あるいは受けたことがある人の割合はどのくらいなのでしょうか?
レッスンを受けたことがない方へ〜教本の説明(vol.1と同じ)
レッスンを受けたことがない方へ
このシリーズは、特に現在クラリネットを演奏しているが専門的な指導を受けたことがない方や、自己流で伸び悩んでいる方を対象としています。皆さんにぜひ近くの講師を見つけて技術を磨いていただきたいという思いで進めていきます。
「ステップアップ」するには、技術面だけでなく音楽面もしっかり養うことが大切です。
クラリネットには、もっともっと可能性があると信じています。その潜在能力を引き出すには、しっかりとした基礎を築くことをお勧めします。
80 Graded Studies for Clarinet
本書に収められている作品の作曲家達
No. 22 Allegro moderato
参考演奏と私なりのポイント解説をしていきたいと思います。
Friedrich Demnitz (1845-1890)
デムニッツは前回取り上げたラザルスと同時期に活躍し、ドイツのドレスデンで生まれました。オーケストラ奏者として知られ、彼の教本は多くのクラリネット奏者に演奏されてきました。
No.22 Allegro Moderato
2,2,4小節のフレーズを感じよう。
6/8拍子は大きく2拍で取ります。冒頭の付点四分音符と8分音符はタイで繋がっています。8分音符でカウントすると「1234-56」となります。3拍子で考えると、最初の2拍がミ、3拍目がファミです。練習の際に3拍子(3/4拍子)で演奏してみるのも良い勉強になります。曲の雰囲気が劇的に変わることに驚くでしょう。最終的に6/8に戻し、そのスタイルを確立させてください。ファミのファは突出しないことに気づくはずです。
音が上行する際は自然なドライブが生まれてクレッシェンドが加わり、下降する際は音量が小さくなります。
休符の取り方
クラリネットをはじめとする吹奏楽器にとって、休符をどのように「演奏」するかは非常に重要です。休符を単なる息継ぎの機会と捉えると、フレーズが疎かになる危険性があります。休符の直前の音をどう処理するかが鍵となるため、日頃のロングトーン練習で音の切り方を研究してください。
また、休符の間に音がないかというと、そうではありません。音を切る際や音と音の間を離す時に、余韻や響きを残しながら「休止」することを覚えてください。舌でリードの振動を止めると、響きも同時に止まってしまいます。曲やスタイルを考慮し、多様なタンギングや音の処理ができるように研究してみてください。ぜひ弦楽器の演奏なども参考にしてみてください。
調性
調号にシャープやフラットがなく、曲がラで終わっています。また、ソにシャープが付いています(raised 7th)。悲しげな曲調であることから、これがイ短調(a-minor、A-moll)だとわかります。エチュードに取り組んでいる方は、スケールもしっかり練習されていることでしょう。自分が練習している曲のスケールをマスターしておくと、スケールだけでなく、アルペジオなどの際にも役立ちます。例えば、換え指の必要性を事前に理解しておけば、演奏中に即座に対応できるようになります。
参考演奏
下記に参考演奏と解説動画を添付しています。 (参考演奏中にCのパッドがくっついてしまって音が乱れます)
少しでもお役に立てれば幸いです。クラリネットエチュードにぜひ取り組んでみて、録音したものを聴かせてください!
クラリネットエチュードに挑戦!
レッスンにご興味をお持ちの方は、体験レッスンをお勧めします。
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